以前から評判を聞きつけてきた客にそばを振る舞っていたが、
そば屋としてのオープンは平成元年と意外と新しい。
おかみさん夫婦と近所から手伝いに来ているおばちゃんたち数人が手伝う。
今までの一日最大の客数は500人にのぼるとも。
雪深い里だが、冬場でも客足が絶えない。
客はただ一つのメニューを求めてこの店にやってくる。
ここのメニューは「食べ放題のもりそば」これだけ。
どんぶり一杯に盛られたそばは十分のこしがあり、
「ぴりっと辛い」大根汁にそばつゆを注いで食べるのが、
そば好きにはたまらない。
また地元でとれた、なす・かぶ・わらび一本漬け・山菜などが三皿つく。
客はこの「おかず」をつまみながら何杯でもそばをお代わりすることができる。
(今までの最高は十二杯だが、男性ならたいてい三杯は食べるということだ。)
七兵衛そばには、
山里の生活から生まれた伝統のそばづくりの味が生きている。
(「そば王国山形」より)